令和8年(2026年)7月1日から、経営事項審査(経審)の制度が改正されました。
(https://www.qsr.mlit.go.jp/n-park/construction/pdf/keisinkaisei.pdf)
特に「その他の審査項目(社会性等)=W点」が大きく見直されています。
ポイントは次の3つです。
- 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」が新たな加点項目になりました。
- 加点対象となる建設機械の種類が増えました。
- 社会保険未加入による「-40点」がなくなりました。

この記事では、令和8年7月1日以降の経審で何が変わったのかを、できるだけ簡単に解説します。
その前に…「そもそも経営事項審査(経審)って?」
経営事項審査とは、「公共工事」を発注者から直接請け負おうとする建設業者が受ける審査のことを言います。
会社の「経営規模」「経営状況」「技術力」「社会性」などを点数化し、その結果として『総合評定値(P点)』が算出されます。
「会社の通信簿」をイメージするとわかりやすいかもしれません。
総合評定値(P点)は、
P=0.25*X1+0.15*X2+0.20*Y+0.25*Z+0.15*W
(*は積)
という計算式で算出します。
今回の改正では、一番後ろの15%のウエイトがある『W点(社会性等)』の評価項目(主に上記の3つ)が変更されています。

① 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」が新たな加点項目になりました。
新たな加点項目として、
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無
が追加されました。5点の加点です。
ただし、単に宣言していれば自動的に加点されるわけではありません。
加点を受けるためには、
- 審査基準日が宣言日以降であること
- 宣言書を提出すること
- 『宣言した取組を開始日以降に行う(または行っている)』旨の誓約書を提出すること
などの要件があります。
参照:国土交通省「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」
「建設技能者を大切にする企業」とは?
今回の制度では、建設技能者を大切にするための取組を企業が自主的に宣言します。
宣言内容としては、
- 労務費(工事に必要な人件費)の確保
- 建設技能者の処遇改善
- CCUS(建設キャリアアップシステム)の活用
- 建設業の担い手確保
などがあります。
つまり「人材を大切にする会社」への評価を、経審でも明確にしていくという方向性が示されました。

② 加点対象となる建設機械の種類が増えました
今回の改正では、W7「建設機械の保有状況」も変更されています。
これまでの対象機械に加えて、次の2種類が追加されました。
- 不整地運搬車
- アスファルト・フィニッシャ
です。
建設機械の保有状況は、保有台数に応じて評価され、最大15点となります。
14台以上保有している場合が最大点になります。


③ 社会保険未加入による「-40点」がなくなりました。
- 雇用保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
これまで「それぞれ未加入」の場合、『それぞれ-40点』となっていましたが、経審を受ける前提となる「建設業許可」との関係で、『経審で改めて社会保険の加入状況を確認して減点する必要性が低くなった』という考えから、この評価項目が削除されました。

今回の改正により、W点の最低点やP点の最低点も変更されています。
改正後のW点は、最高点:2,073点 / 最低点:▲788点
総合評定値P点は、最高点:2,159点 / 最低点:163点
となっています。
経審は「申請して終わり」ではなく、普段からどのような取組をしているかによって評価が変わります。
今回の改正を機会に、自社の取組を一度整理してみてはいかがでしょうか。
経営事項審査のご相談は 行政書士 藤井 剛(ごう)事務所 まで
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