建退共(建設業退職金共済制度)とは?しくみ・メリット・手続きを解説します|行政書士 藤井 剛 事務所(北九州市小倉北区)☎080-1985-0041

建退共(建設業退職金共済制度)とは?しくみ・メリット・手続きを解説します|行政書士 藤井 剛 事務所(北九州市小倉北区)☎080-1985-0041

建設業の方々から「建退共(けんたいきょう)って何?」とよく聞かれます。

「建退共(けんたいきょう)」とは、正式名称を建設業退職金共済制度といい、国が運営する建設業の労働者向け退職金制度です。

建設業は、現場や雇用先が変わりやすい職種です。

このため、転職しても退職金を通算できるようにするために作られたのが「建退共制度」です。
運営しているのは「独立行政法人 勤労者退職金共済機構」です。

建設現場のイメージ
  • 事業主(会社・個人事業主)が建退共に加入
  • 労働者一人ひとりに共済手帳を交付
  • 働いた日数分の掛金(証紙)を事業主が負担し、手帳に貼る
  • 退職時に建退共本部から直接、退職金を受け取れる

掛金は「証紙」というシールで表され、例えば 1日310円(2025年10月現在) を基準として、働いた日数分だけ積み立てていく仕組みです。

退職金の金額は、 「 掛金額 ✖ 日数 +運用利息 」 で決まります。

通算して 100日以上の掛金(証紙貼付)実績 がある方は、退職や離職など一定の条件を満たした時点で建退共に退職金を請求できます。

※100日未満の場合は対象外となります。また、掛金日数や証紙の貼付状況によっては支給額が変わります。

長期で働くほど利息が上乗せされ、金額も大きくなります。

建退共公式サイトには、 退職金試算ページ もあり、簡単にシミュレーションできます。

  1. 事業主が契約申込書を提出(建退共本部または都道府県建設業協会へ)
  2. 共済契約者証と共済手帳が交付される
  3. 労働者の労働日数に応じて証紙を購入・手帳に貼付
  4. 労働者が退職時に建退共へ直接請求

共済手帳は「転職・出向しても引き継ぎOK」なので、現場を変えても通算して退職金が積み上がります。

① 大切な職人さんを守るしくみで

中小の建設業者様では、会社独自の退職金制度を設定していないケースが多く見られます。建退共は、現場で働く職人さんを長期的に支える退職金制度です。建設業は、現場が変わり、会社が変わることも多い職種です。しかし建退共に加入していれば、職人さんがどこで働いても退職金が通算されるため、安心して働き続けることができます。

② 経審(経営事項審査)で加点されます

建退共への加入は「労務管理が適切」と評価され、公共工事の入札や経審で加点対象となる場合があります。

※ 建退共に加入・履行し、建退共本部または都道府県支部が発行する「加入・履行証明書」を経審時に提出すると、総合評定値(P点)で 約+21点 の加点が見込まれます。

② 社会保険加入の一環として信頼性アップ

元請・発注者からも「福利厚生が整っている企業」として信頼が得られます。

③ 労働者の定着に効果

職人さんにとっても「退職金が積み上がる現場」で働けるのは安心感があります。

建退共公式サイトでは、次のような書式をPDFで入手できます。

  • 契約申込書
  • 共済手帳交付・再交付申請書
  • 証紙購入報告書
  • 加入・履行証明書

👉 申請書類ダウンロードページはこちら


参照:建設業退職金共済事業本部(建退共)公式サイト

   厚生労働省「建設業退職金共済制度(建退共制度)とは」

   PDF「建設業退職金共済制度の手引き」

行政書士 藤井 剛 事務所のイメージ